2013年7月26日金曜日

松田隆智氏、死去…

と書いても、誰だか知らんという人も多かろう。

中国武術を日本に知らしめた人でございます。



漫画「拳児」の原作者、「ひらけポンキッキ」の「カンフーレディー」…若い世代なら、ここら辺でピンとくるのだろうか。

元々、泥臭く質素な「八極拳」を広く認知させたのも氏のお陰で、氏がいなければ、「バーチャファイター」で取り上げられることはなかった。

また、漫画「男組」でも中国拳法が出てくるが、これまた氏の影響が多大。まぁ、「男組」においては、実物の拳法とはかなり異なる描かれ方をしていたのだけどー。

情報が非常に少ない時代に台湾等に赴き、中国武術の門派(流派)の紹介や歴史、分布をまとめていったわけでー今となっては、間違っている部分も多いが、これだけのものを整理してきた功績は大きいと思う。

土台が中国であるだけに、事実と虚構が入り混じるのは仕方ないし、事実以上に神秘化されたのものに溢れるのもしょうがないと思う。

そんな氏の書籍を読むにつけ、中国武術、ひいては大陸に思いを馳せるようになった人も多かっただろう。

かく言う僕も、氏の影響で空手や中国武術にのめり込んでいった。

氏の書籍の影響で、八極拳最強説、北派至上、一撃必殺…といった考えを持つマニアを生み、空手や大陸の武術家が快く思っていなかったという話も聞く。

当時、僕は中学生だったと思うが、以上のような考えに至るか否かは受け取る側の問題であると思っていたし、僕は浪漫として受け取っていた。

氏が数々の入門書を出して以降、有象無象が「◯◯入門」という本を出し、その神秘化が促進された感は否めなかった。まさにカオス。

色んな功罪はあったにせよ、僕の青春と共に氏の書籍はあった。手垢で真っ黒になるまで読みふけったもんだ。

上にある写真の本に「小虎燕」という型があるが、50歳手前になった今でも動作は覚えている。

何事も基本が大事だという氏の教えを守り、空手においても正拳突きにこだわったのも懐かしい思い出。

我が国のみならず、本国においても「中国武術研究の第一人者」と言って過言ではないと思う。

氏のご冥福をお祈りします。

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